分記法
分記法とは、三分法で出てくる売上原価を使わずに、所得を「商品売買益」という勘定科目使って直接表す方法。
1・販売目的に商品を500円で仕入れた。
商品(資産)500/現金500
2・商品が550円で売れた。
現金550/商品(資産)500
/商品売却益50
分記法を使うことで、個別の取引での発生利益がいくらが明確になるというメリットがある。
2で商品売却益という勘定科目が50円とあるので、商品という資産の勘定科目を使って
仕入れた時は原価という概念は出てこない。
三分法
■三分法とは、所得を「売上−仕入(必要経費である売上原価)」という2つの勘定科目の差によって間接的に表す方法。
1・販売目的に商品を500円で仕入れた。
仕入(費用)500/現金500
2・商品が550円で売れた。
現金550/売上550
売れた仕入額までが必要経費になる。
1の仕入が、2で売れているので
仕入は500円までなら必要経費になる。
このように、有形商品での仕入という勘定科目は、以下の無形商品の記事で出てくる仕掛品のように
売れると貸方に移動しないという特徴がある。
3・決算整理時に、利益を把握する。
分記法とは異なり、期中では利益が出ているかが把握できない。
そこで、利益は決算整理時に把握する。
翌年の確定申告
所得=売上550円−仕入(必要経費)500円=10,000円
【もし、期中に売れなかった場合は翌期に繰越!】
当期末
繰越商品 500円 / 仕入(費用) 500円
仕入残高500を、繰越商品500で打ち消して0に。
翌期首
仕入(費用) 500円 / 繰越商品 500円
商品も期中に売れないと翌期に繰越。
商品勘定は、利益がすぐ分かるので決算の仕訳の例をしなかったが
商品も売れ残れば仕入と同じように翌期に繰り越される。
商品(資産)、仕入(費用)が期をまたがって繰り越されると繰越商品となる。
当期の期首にある、前期末からの繰越商品を「期首商品棚卸高」といい、
当期末に残っていて次期へ繰越す商品を「期末商品棚卸高」と言う。
商品(資産)は分記法、
仕入(費用)は三分法の
どちらかを選んだ後に
商品と仕入が共に出てくることはない。
補足
仕入という勘定科目は、費用>売上原価の内の1つであり、
売上原価は仕入、役務原価、製造原価(材料費、労務費、経費)と3つある。
売上原価については、以下の記事の見出しを読むこと。
より両者の違いについて知りたい方は以下をどうぞ。
オススメは三分法で仕訳をして記帳することです。
期中に所得(利益)を一々計算しなくてよくなり、期末でまとめて行えば済むからです。
また、商品という勘定科目を採用していない会計ソフトもあるからです。
三分法についてより詳しいことや、僕が三分法に抱いた勘違いについて知りたい方は
以下のGoogleドキュメントをお読みください。